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少子化と外国人児童①

いまさら言うまでもないが、日本は少子化が深刻な問題になりつつある。

少子化は国の経済力の低下につながるため、それを埋めるべくこれから外国人が労働の担い手としてますます増えていくだろう。

私は今日本語学校で日本語を教えているが、うちの学校にいる外国人はこれから就職や大学を目指す人がほとんどで、きちんと学費を払って学校へきている。

しかし本当に日本語を必要としてるのは彼らばかりではない。

出稼ぎをするために日本へきた労働者、日本の農村地帯に嫁にきた奥さん、

そしてその子供達・・・。

そういう人たちの日本語支援を主にボランティアが担っているわけだが、次世代の労働力として頼りにしている割にはそうした活動を助成するような動きも無く、ボランティアのご厚意に甘えている自治体が多いのではないかと思う。

もっとかわいそうなのは子供達だ。

外国人の大人なら、かれらに必要なのはサバイバルジャパニーズだ。

社会人は仕事で使う日本語、主婦は日常会話。

けれども子供が日本語を習う場合にはそれだけでなく、その日本語を使って国算理社などの教科の勉強をしなくてはならないのだ。

ここでよほどうまくやらないと友だち関係にまで影響を及ぼす。不登校、あるいは保健室登校になってしまった子を何人も見た。

そのように大切な時期であるのにもかかわらず、きちんと日本語を学校で教えてもらっている外国人児童はどれくらいいるのだろうか。

概して、日本語教師の専門性というのは全然社会で認められていない。

日本語だけに、日本人なら誰でも教えられるだろう、と思われている。

(女なら誰でも家庭科を教えられるだろうと思われているのと同じ)

しかし、実際には、全然日本語教育について知らない人が日本語を教えることは無理だ。

試しに想像してほしい。あいうえおも覚えてきていない人にどうやって日本語を教えるか。

外国人児童が多い小中学校では、取り出しの日本語授業を行っているところもあるが、日本語教育について勉強したことがない先生が指導に当たっていることも多い。

しかし、話せることと教えられることとは違うのだ。

日本語教育についてよく知らない人が勘違いしているのは、主に次の2点である。

①日本人なら誰でも日本語を教えられる。

②子供はすぐに言葉を覚えられるから、ちょっと話せるようになったらクラス授業に戻しても      問題はない。

私たちは、外国人がちょっと日本語で挨拶でもしようものなら、簡単に感心し、「日本語がお上手ですね。」なんて言う。

しかし、自分が英語を勉強したときのことを思い出して欲しい。

「Hello,Nice to meet you」 なんていう挨拶は一番先に勉強することだから誰でもできる。

ちょっと勉強すれば買い物、旅行なんて言うこともそんなにストレス無くできるようになるはずだ。

でも、英語を使って、数学の勉強が、理科の勉強ができるだろうか。

彼らは日本語を使って中学受験、高校受験をしなければならないのである。

日本にきて間もなければ、外国人を受け入れている各学校の外国人枠、帰国子女枠で受験することもできるが、日本へきて年数が立ってしまうと、日本語力が未熟なのにも関わらず一般の学生と一緒に受験しなければならない。

日本では、外国人児童が日常的な会話を覚え、友だちもできはじめると、たいていもう日本語力は十分と考え、取り出し授業をそこでやめてしまう。

結果、クラスの勉強についていけず、学校が嫌いになってしまう子供や、かなり遠く離れていても同じ国の子供達が通う外国人学校に転校してしまう子供が多いのだ。

私がオーストラリアに留学したとき、そこで知り合った友人は子連れで永住を目指してきていたのだが、二人のお子さんは現地の小学校でやはり英語の取り出し授業を受けていた。

そこでの取り出しは初めの3ヶ月、とかではなく、私の知る限りではずっと続いていたと思う。そこの先生方は、日常会話ができるようになってからも彼らの困難が続くことをよくわかっていたからだ。

オーストラリアは移民の国、と言われるだけあって、街を歩いていても本当にいろんな肌の色、目の色のひとがいる。そんなオーストラリアはさすがに外国人に対する英語教育の研究は進んでいて、本屋へいっても外国人向けの英語のテキストは本当に充実している。教育現場でも、外国人の受け入れ、対応はかなり充実しているといっていい。

それに比べて日本は外国人児童に対する対応はまだまだだと思う。取り出し授業が行われるところはそれでもまだよく、そういう児童がただ教室の中でお客さん状態になっていることもある。

これから日本にはますます外国人が入ってくる。そのまえに、学校教育の場をなんとか改善して欲しい。学校教育の場に、日本語教育のプロを入れて欲しい。

大人ならともかく、学校生活はその子の一生を左右してしまうほど重要なのだから。

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コメント

えくぼさんへ

おはようございます。
全部読ませていただきました。

まず、お礼です。
いくつか読んでいただいて、一緒に考えようって言ってくれて
ホントにありがとう!
コメントを頂いて、どんなに心強く励まされた事かわかりません。

わたしにはえくぼさんの記事にコメントする資格がないので、
伝えたい事を書きます。

お仕事が忙しい事知りました。
千葉に戻られる事も。
どうか無理をして、体を壊さないで下さい。

えくぼさんは素敵なニックネームだから、
笑顔の似合う方なんだろうなって思っています。

子供の立場でしかわかりませんが、
一緒にいる時間が長い、短いに関わらず、
親が自分の為じゃなく、子供の為と思ってしてくれた事や、
本当に自分の事を大事にしてくれている気持ちは、
必ず伝わります。

他の人はどうかは、分からないけれど、
少なくても私はそう思います。

時間でも、ものでも無い。
大事にされているって思う感覚。
子供が欲しいものは、この1点なんじゃないかと。

親にしてもらわなくても、周りの人にしてもらった事は忘れません。

誰かに大切に思われている感覚。
これさえあれば、後は無くても平気かとも思います。
後の事は自分でも何とか出来ます。

思っているだけじゃ伝わらない。
えくぼさんのように、話を聴いて、一緒に考えて。
その中で、生活する上で基本になる考え方が学べる。

そんな風に育てられる娘さんをうらやましく思います。

何でもあたりまえと思い、いい年になってからそれが分かった私とは大違いです。

私の両親は、父は信じられない程マイペースでどんな事があっても物ごとをいい方にしか考えません。
母は公務員の家庭で育ち、親の言う通り勉強して、親の言う通りの学校に行って、箱入り娘で世間の事は何もわからないまま結婚しました。

それぞれいい所が有れば悪い所も有ります。

たとえ、子供の前でだらだらしていたとしても親が一生懸命にやっている姿は子供は見てる。

だから、少し位手抜きしても
にこっとした笑顔があれば、いいんだと思います。
親が笑えば、子供も笑う。

自分が幸せである事って本当に大事なんだなとこの頃感じています。

投稿: えくぼさんへ | 2006年3月12日 (日) 10時28分

全部読んでくださったんですか?
丁寧にコメントをくださってありがとうございました。
ブログを通して、いろんな人と知り合えて本当に嬉しいです。これからもよろしくお願いします。
子供のこと、bbukerさんにそういっていただいて励まされました。bbukerさんのご両親も素敵なご両親なんだろうな、と思います。bbukerさんを立派に育てたんだから。
私の記事にコメントする資格、なんてないですよ?!
気づいたことがあったらどんどんお願いします。

投稿: えくぼ | 2006年3月12日 (日) 22時57分

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